1. Aas法は,乾燥や血液混入による観察不能な集塊はほとんど見られなかった.
2.大型集塊を直接塗沫法と比較すると,Aas法は,より立 体感のある集塊として観察され,組織構築を推定しやすかった. これは,Aas液が粘稠なため,細胞集塊の立体構造が保たれた形で貼り付けられたことが一因と考えられた.
3. Aas法の原理は,サコマノ法に類似するが,いわゆる二重固定法であり,サコマノ法のような固定不良による細 胞変性はおこらなかった.
4.Aas法は,必要に応じて随時セルブロック標本を作製でき,採取された検体を有効に活用できた.また固定後2ヶ月でも安定であった.
5.セルブロック標本の併用で,判定困難症例においても,より確定的な判定が得られた.
症例によっては,鑑別のカギとなる集塊が少数の場合もあり,観察しやすい,きれいな標本作製の必要性は,精度管理上,無視できないものと痛感する.
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