乳腺腫瘍の組織学的分類

I. 上皮性腫瘍 II. 結合織性および上皮性混合腫瘍
A. 良性 A. 線維腺腫
B. 悪性(癌腫) B. 葉状腫瘍 (葉状嚢胞肉腫)
1. 非浸潤癌 C. 癌肉腫
2. 浸潤癌
a. 浸潤性乳管癌
a1. 乳頭腺管癌
a2. 充実腺管癌
a3. 硬 癌
b. 特殊型
3. Paget病

(乳癌取扱い規約 第14版 日本乳癌学会編より抜粋)


線維腺腫 (fibroadenoma)

乳腺組織の間質線維性結合織と上皮の両成分で構成される腫瘍。
取扱い規約(第14版)には詳細な記載はないが、いくつかの亜型に分類される。
1) 管内型 (intracanalicular type) 
2) 管周囲型 (pericanalicular type)
3) 類臓器型 (organoid tyoe)
4) 乳腺症型 (mastopathic type)

管内型: 増生した間質成分が管腔を圧迫している。

管周囲型: 管腔を取り囲んで間質成分が増生する。

類臓器型: 終末乳管から小葉までの分化がみられる。

乳腺症型:乳腺症(写真はepitheliosis)の像がみられる。


乳頭腺管癌 (papillotubular carcinoma)

乳頭状増殖および管腔形成を特徴とする癌。

腺腔形成性の癌巣が浸潤性に増殖している。

篩状構造を示す癌巣。

乳頭状構造。


硬 癌 (scirrhous carcinoma)

癌細胞が個々ばらばらに、あるいは小塊状ないし索状となって間質に浸潤し、多少とも間質結合織の増殖を伴うもの。

間質増生を伴った小塊状ないし索状の癌細胞浸潤。

索状配列を示す癌細胞。

細胞質内小腺腔(intracytoplasmic lumina)。