経緯: 持続的な不整出血で当院受診
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
標本 1 (97年度)内膜細胞の採取量は中等度ですが、腺管が主体に採取されていました。
背景に壊死はなく、ヘモジデリンを貪食した組織球も見られます。そして、表層部と思われる内膜細胞は化生性の変化があり、細胞の大小不同や核密度の上昇を認めます。腺管部の内膜細胞では、小嚢胞状に拡張した密集腺管が出現しています。
又、腺管を構成する個々の細胞は、一部にクロマチンの増量やN/C比の上昇などの軽度の細胞異型が見られました。これらの細胞所見より、クラスIII、軽度の細胞異型がありますが単純型子宮内膜増殖症(simple hyperplasia)と判定しました。
標本 2 (98年度)標本 1 より内膜細胞の採取量が多くなり、腺管部の内膜細胞では 1 と同様の密集腺管があったり、嚢胞状に拡張した腺管が目立つようになっています。そして、嚢胞状になった腺管の内腔側には乳頭状に突出したりする構造や芽出様の構造が著明になっていました。腺管を構成する個々の細胞異型も標本 1 と比較すると細胞異型が上昇しているように見えます。
しかし、癌とできるほどの明らかな構造異型はないので複雑型子宮内膜増殖症(complex hyperplasia)が最も疑われると判定しました。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
比較的きれいな背景の中に、58才という年齢にしては非常に多数の体内膜細胞がみられました。
中には正常内膜と思える部分との共存もみられますが、全体として、大型なクラスターが多く、その中に腺の増生を認め、構造的にはback to backといわれる部分や、クラスターの辺縁には乳頭状突出がみられました。
また、集塊辺縁の柵状配列の乱れを認め、核の異型は細長いものや三角状にみえるものまであり、非常に著名です。中には、核小体が目立つものや核内細胞質封入体、また核分裂像を認める核もありました。
以上により、核異型が非常に強いことから、がんではないかという意見もありG1との鑑別に非常に苦慮しましたが、背景に壊死物質がないこと、集塊内の極性の乱れは著名ですが、集塊からのほつれは少なく全体として、結合性が高いクラスターが多かったことから、G1にはとりきれず、複雑型子宮内膜異型増殖症を疑いました。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |